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“さずかり婚”の正しい使い方を考える

ここ最近では"できちゃった婚"の事(婚前妊娠)を"さずかり婚"と呼ぶ表現が浸透してきています。
なぜこの"さずかり婚"という言葉が出てきたのか?
それは"できちゃった"の表現がネガティブなとらえ方しか出来ないために、ブライダル業界がそのイメージを払拭するために"さずかった"というやわらかい表現を使い始め、誕生した言葉なのです。


婚前交渉の考え方


大昔や、現代でもお国の方針や宗教上で婚前交渉はダメ!なんて事もあるでしょうが、婚前交渉無しに結婚する事は現代では間違いなく珍しい事と言えるでしょう。
なので婚前交渉自体は否定しませんし、私も行った事なので否定出来ません。

しかし、私はこの"さずかり婚"というネーミングが間違った名前なのでは?と最近よく感じています。


さずかり婚の実態


さずか・る〔さづかる〕【授かる】
[動ラ五(四)]神仏や目上の人などから、金では買えない大切なものを与えられる。いただく。「秘伝を―・る」「子宝を―・る」

kotobank.jp

秘伝や子宝。これは一度手に入れたからには命をかけてでも大事にしなければいけないものだと私は思います。
しかし、おかしい事に統計的数字は真逆なのです。

2010年の離婚率が以下になります。

父親の年齢 2010年の離婚率
19歳以下 約48%
20~24歳 約47%
25~29歳 約23%
母親の年齢 2010年の離婚率
19歳以下 約83%
20~24歳 約48%
25~29歳 約23%

国立社会保障・人口問題研究所

こちらを見れば、15~24歳の離婚率の高さが数字で確認出来ます。
当然この中には性格の不一致などの様々な要因も含まれるとは思いますが、さずかり婚の方も多く含まれている事は統計でハッキリしています。

結婚期間が妊娠期間より短い出生数 (推計)1)及び嫡出第1子出生に占める割合・ 嫡出第1子出生数,母の年齢(5歳階級)・年次別 -昭和55・平成2・12・17~21年-
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/GL08020103.do?_toGL08020103_&listID=000001071104

結婚してから出産までの時間が短い方(さずかり婚)が非常に多いのです。

そして上の表の通り、平均して約6割近くの若い夫婦が離婚してしまいます。
子供が出来てしまったので結婚したものの、結婚生活は長く続かないのです。
つまり、さずかったはずの子供が原因で離婚している家庭が非常に多いのです。

 

20年前と比べてみる


今度は20年前の1990年の離婚率と2010年の離婚率を見てください。

父親の年齢 1990年と2010年の離婚率
19歳以下 約23%⇒約48%
20~24歳 約26%⇒約47%
25~29歳 約13%⇒約23%
母親の年齢 1990年と2010年の離婚率
19歳以下 約37%⇒約83%
20~24歳 約23%⇒約48%
25~29歳 約10%⇒約23%

国立社会保障・人口問題研究所

2010年の半分ほどですね。
できちゃった婚と呼ばれていた頃の方が、子供が出来た事によっての責任を感じ、妊娠させてしまった男性は男からお父さんへ、女性は女からお母さんへと覚悟を決め、家庭を築いていった事がわかります。

無計画に子供が出来てしまっても責任を持って親となれるか、それとも無責任にも子育てを放棄してしまうのか、子供が子供を産んでしまうと言われる理由はここにあるのです。


捨て子やネグレクトを増やさないために


突然ですが私は養女です。
本当の両親の顔も知りませんし、どこで生まれたのかもわかりません。
幼い頃に気づけば児童養護施設にいました。

これは間違いなく私がさずかったのではなく、できてしまったからだと思います。

私は運よく今の両親に引き取られ育ててもらい、結婚までする事が出来ました。
特に興味が無いので今の両親に深く聞いてはいませんが、産みの親は結婚していたのかも怪しいところです。

現状の日本では母子家庭で子供を育てるのは大変です。
子供をさずかったと言うのであれば、余程の事が無い限り責任を持って成人するまで育ててあげて欲しいのです。


私が考える正しいさずかり婚とは


例えばですが、彼の精子の元気が余り無く、妊娠は限りなく難しいかもしれない、子供が出来れば結婚出来るが、出来なければ結婚する事は難しい、なんて事があったとします。
こんな時に彼女の妊娠がわかった!これこそ"さずかった"のではありませんか?

「神仏や目上の人などから、金では買えない大切なものを与えられる。いただく。」まさしく言葉通りです。

このような状態こそ正しいさずかり婚だと私は思います。


まとめ


明るい表現にしたいのはわかりますが、見えないところで犠牲になっている子供がいる事も事実です。
本当に2人が望んで生まれた子供をさずかり、結婚に至る。
これこそが本当の使い方なのでは?と私は思います。

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